世界一周旅行者が海外で予防接種を打つ場合、圧倒的に一番打つのが多い場所がタイのバンコクです。
そして、バンコクで予防接種を受ける人に一番人気があるのは通称「スネークファーム」と呼ばれる赤十字の病院です。
ここで打つと日本で打つよりはるかに安い料金で済みます。
実際にスネークファームで予防接種をしてきたので、スネークファームへの行き方と予防接種の流れについて詳しく説明します。
タイのバンコクで予防接種を受ける予定の人は参考にしてください。
タイのバンコクにあるスネークファームで予防接種を打つことについて
スネークファームとは、タイのバンコクにある赤十字協会の病院のことです。
正確には、この病院は「サオワパー女王記念研究所(Queen Saovabha Memorial Institut)」という名前。
スネークファームとは横にある隣にある施設の名前ですが、いつからか病院自体がスネークファームと呼ばれるようになりました。
研究所というだけあって、予防接種をするだけでなく、狂犬病などのワクチンなどの製造も行っています。
この病院では、タイ人だけでなく、外国人である日本人も簡単に予防接種を受けることができます。
赤十字病院ということでかなりちゃんとしている病院なので予防接種を打つのにも安心です。
また、スネークファームの医者や看護婦たちは外国人に慣れているので、タイ語を話す必要はなく、簡単な英語なら通じます。
そういう理由からたくさんの世界一周旅行者が旅の最初に訪れ、日本よりもはるかに安い金額で予防接種を打っています。
スネークファームの営業時間
スネークファームの営業時間は
- 月曜日〜金曜日:8:30〜11:30と13:00〜16:00
- 土曜日または祝日が8:30〜12:00
なので、時間に余裕を持って着くようにしましょう。
日曜日は休みなので注意してください。
スネークファームの入口にある営業時間は病院のものではありません。
スネークファームでの予防接種に必要なもの
スネークファームに手ぶらで行っても予防接種を受けることはできません。
初回の予防接種に必要な持ち物は、「予防接種のお金」と「パスポート」のみです。
スネークファームで予防接種を打つための予約は一切必要ありません。
予防接種を打ちたい日にそのまま行きましょう。
予防接種に必要な金額は下の記事にまとめているので参考にしてください。
スネークファームへの行き方
スネークファームのすぐ近くにはバス停があるので、バスが行くのが1番楽です。
また、電車の駅も少し歩けばあります。
BTSを使って行く場合は「Sala Daeng駅」、MRTを使うのなら「Si Lom駅」で降りてから、大通りを西側に向かって歩けば、10分ぐらいで着きます。
バスで行く場合は、スネークファームの前を走る以下のどれかの路線のバスに乗りましょう。
- 4番
- 21番
- 45番
- 46番
- 47番
- 50番
- 67番
- 141番
- 507番
バックパッカーの多いカオサンから行くとすれば、大通りから「47番」のバスに乗れば、スネークファームの近くまで一本で行くことができます。
車体が赤色の47番のバスに乗れば、スネークファームまで8バーツで行くことができます。
バスの乗り方や路線については下のリンク先の記事を参照してください。
所要時間は道路の混み具合によりますので正確には言えませんが、道路が空いていれば30分ほど、混んでいれば1時間以上かかります。
どこで降りるか分からない場合は、集金係の人に「スネークファーム」と言っておけば、降りる時に教えてくれます。
しかし、車内が混んでいたり、集金係がいないこともあるので、降りる場所を説明します。
47番バスは、BTSの「National stadium station」を過ぎるとすぐに大きく右折します。
右折した後にすぐ、大きく「MBK」と書かれている「マーブンクローン・センター」が見えます。右に曲がった後、この通りをずっと直進した後に左折すれば、すぐにスネークファームがあります。
スネークファームのすぐ近くにバス停がありますが、1つ前のバス停、または1つ後のバス停に降りても歩いていける距離なので、心配しないでください。
入口の門には赤十字のマークがあります。
病院に着いたら、大きな池の真正面にある白い建物をに入ってください。
スネークファームの場所
予防接種を受ける人は、スネークファームから徒歩5分にある「Ekanek Hostel」がおすすめです。
歩いてすぐに行けますし、朝食も無料、施設自体も綺麗なので快適に過ごすことができます。
スネークファームで予防接種を受けるまでの流れ
スネークファームに着いて、病院に入ってからどうすればいいかを順番に説明します。
病院内には、番号ごとに部屋が分かれています。部屋ごとに、やることが違っています。
部屋の番号と一緒に説明していきますが、それぞれの作業が終わった時に「次は◯番の部屋です」と言ってくれるので、心配しなくても大丈夫です。
1番の部屋で受付
まずは、受付です。
1番の部屋の入口の手前にある番号札を取って部屋に入ります。
入って左側に受付用紙があるので、英語で書かれた用紙に記入します(3番と4番の箱に入っていた)。
当たり前ですが、すべて英語で書いてください。
1枚目の表は「Patient information」と書かれた紙で、個人情報について質問されます。
アレルギーについても記載しましょう。
1枚目の裏は、「Have you ever had these immunizations?」と書かれています。
ここには、「過去に受けた予防接種の種類」を書きます。
2枚目は表だけで、「Patient information for immunization and Travel clinic」と書かれています。
名前と年齢の他に、旅のスタイルやこれからの旅について記入しましょう。
書き終わったら、受付に行って、小さなカゴがあるので、そこに「番号札」と先ほど書いた「受付用紙2枚」を入れます。
カゴの横にクリップがあるので、それを使って、ひとまとめにしてからカゴに入れてください。
カゴに入れたら、名前を呼ばれるまで待ってください。
しばらくすれば、名前を呼ばれるので、受付に行き、カルテをもってください。
初めての人はこの時に診察券がもらえます。
この診察券料金(登録料金)として、ここの窓口で20バーツ払ってください(初回のみ)。
すぐ横の2番の部屋で血圧と体温を測る
1番の部屋でカルテ一式をもらったら、部屋を出ずに、すぐ横の2番の部屋で血圧と体温を測ります。
血圧は、機械に腕を入れると自動的に測定されます。
血圧を測定してる時に、看護婦に体温を測られます。
血圧を測っているときに真正面を見ると、蛇やサソリ、蜘蛛の標本などがあります。
4番の部屋に行き、どの予防接種を受けるかを相談
2番の部屋を出て、真向かいの4番の部屋に行くと、おじちゃんドクターがいます。
そのおじちゃんドクターとどの予防接種を受けるかを話し合います。
会話はすべて英語です。
心配しなくても、ドクターも、あまり英語が話せない人と何人も会っているはずなので、流暢な英語を話す必要はありません。
つたない英語でも大丈夫なので、自分がこれから行く場所、打ちたい予防接種を伝えてください。
日本人が打つのが多い予防接種はA型肝炎、黄熱病、狂犬病、破傷風です。
英語だと以下のようになります。
- A型肝炎:Hepatitis A
- 黄熱病:Yellow fever
- 狂犬病:Rabies
- 破傷風:Tetanus
とりあえず前もってどれを受けるか大まかに決めていた方がいいと思います。
それをドクターに相談する感じで伝えて打つ予防接種を決めましょう。
注意しておくことは、1度に予防接種を打てる本数は「4本」までということです。
これ以上は体に負担がかかりすぎるので、打てません。
また、1回打つと、次に打つまで、1週間ぐらい空けたほうがいいとされています。
それらを考慮して、きちんと計画して、早めに打ちに行きましょう。
ちなみに僕が受けた予防接種の種類とそれぞれのワクチンの値段は最初の方に書いた「必要なもの」のところに貼ってあるのリンクで見ることができます。
人によって受ける予防接種の種類は違ってきますが、「狂犬病」の予防接種は必ず受けとくようにしましょう。
相談が終わり、打つワクチンが決まると、カルテをもらって、入り口近くの4番の部屋にあるカウンターに行きます。
カルテを渡すと、打つ予防接種についての説明が書かれた紙をもらうので、一応読んでください。
説明書きは基本的に英語表記ですが、破傷風とA型肝炎の説明書きだけ日本語表記でした。
さらに、ここでパスポートの提出を求められます。
人によっては、注射を打つ前に求められた人もいたそうですが。
5番の窓口でワクチンを購入する
部屋を出て、5番の窓口に行って、自分のカルテを渡します。
そうすると、いくらか値段を教えてくれるので、料金を払いましょう。
この時に、ワクチン代プラスサービス料金50バーツを支払います。
払い終わると、ワクチンを渡されます。
4番の部屋に戻り、予防接種を受ける
4番の部屋のカウンターに再び行ってください。番号札を渡されるので、椅子に座って順番がくるのを待ってください。
僕は3回とも違う人に注射を打たれました。
1回目はニコニコしてるおっちゃんドクター、2回目はおばちゃんナース、3回目は私服みたいな格好をした小太りの女の人でした。
驚いたのが、2回目に受けた、おばちゃんナースの注射が全然痛くなかったことです。
本当に「えっ、もう終わったの?いつ打ったの?」って感じでした。
これが熟練のテクニックかと思いました。注射が痛くないようには、注射も打つ側も打たれる側も少しだけできることがあります。
打たれる側は、とにかくリラックスした状態でいることが大切になります。
そう言えば、あのおばちゃんナースも打つ前に必ず「リラ〜ックス」と言ってました。
4番の部屋の看護婦のいるカウンターに行って、少し待機する
予防接種が終われば、同じ部屋のカウンターに行きます。
狂犬病などを複数回打たないといけない予防接種を打った場合は、今後いつ打てばいいかを説明されます。
この時に、パスポートと一緒に診察冊子(赤色の小冊子)をもらいます。
黄熱病を打った場合は、イエローカード(黄熱病を打ったという証明書)を渡され、サインを求められますのでパスポートに書いてあるサインと同じサインをしましょう。
また、予防接種を打った後に、副作用が起こる場合があるので、15〜30分は病院の中で待ってから、病院を出てください。
スネークファームで予防接種を受けた後の副作用について
予防接種を受けた後は、安静に過ごしましょう。
予防接種は、「弱い病原体を体内に入れ、抗体を作る作業」なので、体にも負担がかかります。
その結果、体温が上がり、体がポカポカしたり、ふらふらした感じになることがあります。
副作用がひどい人では、熱が上がり、しんどくなるそうです。
副作用がどれだけその人にあるかは、打たないと分からないのでなんとも言えないですが、打った日、打った次の日はあまり予定を入れない方がいいと思います。
美味しいものでも食べて、安静にしてください。
また、予防接種によっては、筋肉に注射するので、打った後に、腕が痛くなったり、だるくなる症状が現れます。
身体が抗体を作れるように、心理的にも身体的にも元気な状態が一番です。予防接種を受ける前、受けた後とともに、栄養のあるものをしっかりと食べ、よく睡眠を取ることが大切です。
僕自身の経験だと、初回は、予防接種をした日の夜から腕がだるくなり、痛かったです。
また、しんどくはなかったのですが、体が熱い感覚になりました。2〜3日したらなんともなくなりました。
それは、初回だけで、2回目は、特になんともなかったです。
スネークファームでの2回目以降の診察について
2回目以降に予防接種を受けるのに必要なものは、初回と同じく
- 予防接種のお金
- パスポート
に加えて、
- 診察券(初回に受付でもらったカード)
- 診察冊子
が必要になります。
最初の受付では、病院に入って1番の部屋に入った後、初回に書いた紙は書く必要はありません。
部屋に入ったら、「番号札」と「診察券」をクリップに挟んで、カゴに入れて名前を呼ばれるのを待ってください。
また、4番の部屋でドクターと相談した後、同じ部屋のカウンターに行きますが、その時に診察冊子をカルテと一緒に提出してください。
それ以外は1回目と一緒の流れです。
まとめ:タイのバンコクで安く予防接種するならスネークファームが一番
バンコクのスネークファームでの予防接種について説明しました。
長くなりましたが、少しでも予防接種の流れを知ってもらえたら嬉しいです。
海外で予防接種を受けるとなると、不安な人も多いかもしれませんが、病院の人も日本人に慣れているので心配いりません。
心配な人はスネークファームに行く前にまたこの記事を読み返して、予防接種を受けてみてください。