世界一厳しいとも言われるヨルダンからイスラエルへの陸路移動。
ヨルダンからイスラエルまで陸路移動できるらしいけど、どうやってできるんだろう?
今回はキングフセイン橋を使ってヨルダンの首都アンマンからイスラエルのエルサレムへ移動しました。
陸路移動の方法やどういう流れで出入国をするかについて詳しく解説していきます。
この記事を読めば、何の心配もなくヨルダンからイスラエルに入国することができるようになるでしょう。
ヨルダンとイスラエルの出入国について
ヨルダンからイスラエルへ陸路移動する場合、国境移動できる場所は以下の3か所あります。
- 北部にあるシェイフ・フセイン橋
- 南にあるワディ・アラバ
- 真ん中にあるキングフセイン橋
米キングフセイン橋というのはヨルダンでの呼び名で、イスラエルの呼び名だと「アレンビー橋」となります。
その中で外国人旅行者一番が利用するのはキングフセイン橋です。
なぜならアンマンとエルサレムのほぼ中間にあるためアクセスが楽で、移動時間も1番短いからです。
このキングフセイン橋を通ることができるのはパレスチナ人と外国人旅行者だけとなっています。
キングフセイン橋を通り出入国を行う流れとしては、以下の通りです。
- アンマンからキングフセイン橋までバスで移動
- ヨルダンの出国審査
- 出国審査後、バスに乗ってイスラエル側の国境に移動
- イスラエルの入国審査
- 入国審査後、乗り合いタクシーでエルサレムに移動
ヨルダンを陸路出国する場合、30JD(+バスターミナルへのタクシー代)が必要になるので必ず用意しておきましょう。
国境までのバス代:10JD
ヨルダン出国税 :10JD
乗り合いタクシー:10JD(それ相当のイスラエルシュケルまたはUSドル)
アンマンから国境行きのバスはJETTバスを利用しよう
アンマン市内からキングフセイン橋まではタクシーやセルビス(乗り合いタクシー)でも国境に行くことはできますが、「JETTバス」を利用することをオススメします。
なぜなら、JETTバスを利用することでお得に移動できるからです。
ヨルダン出国後にイスラエルの国境までバスに乗る必要があるのですが、その国境間のバス料金が7JDかかります。
しかし、アンマン市内から国境までJETTバスを利用した人に限り、本来払わないといけないバス料金7JDと荷物代の支払いが免除され、なんと無料で利用することができるようになるのです。
国境行きバスのJETTバスのチケットの予約・購入について
JETTバスは当日にJETTバスのバスターミナルで購入することができますが、事前に公式ホームページからチケットを予約することができます。
リンク JETTバスの公式ホームページ
予約する場合は公式ホームページにアクセスした後に、「Booking Now」というところに必要事項を記入していきます。
まず名前を入力し、路線は「Abdali – King Husien Bridge」を選択します。
他の選択肢に「Amman-〇〇」とあるのでAbdaliはアンマンじゃないように思うかもしれませんが、アンマン市内にあるバスターミナルの名前なので心配しないでください。
時間の選択肢は「7:00」の一本しかないので、それを選択します。
後は電話番号とメールアドレスを記入し、表示されている言葉を入力します。
最後に「APPLY CHSNGES」を選択した後に「BOOK NOW」を選択すれば予約完了です。
ページが変わり、予約が完了したことが表示されます。
Thank you for using JETT Online Booking.Your request has been successfully submitted.
You have to call JETT @ 5664141 before 24 hours to confirm your booking
しかし、最後の文に「予約を確定するために24時間前に5664141に電話する必要がある」と書いています。
すぐにメールで下の予約確認メールが送信されてきます。
Dear Customer, Our Call Center Reservation Team will soon send you an email confirming your reservation.
Office Hours are 6:00 A.M. – 10:00 P.M. (In case you contact us after these office hours, our team will immediately email you once they get to the office at 6:00 A.M. next morning)
そしてしばらくした後Call Centerから下のメッセージが来ました。
You don’t need any reservation just come to the Abdali office at 6.30 AM.
これは予約したのが出発まで24時間を切っていたので、電話する必要はなく、当日の6時半にオフィスに行けばいいだけだったと思われます。
24時間以上前に予約した場合は電話をかける必要があるかもしれません。
その場合は宿の人に頼むといいでしょう。
または現地の人の多くはネットではなく電話でバスを予約しているので、最初から宿の人に電話で予約してもらってもいいと思います。
アンマンからヨルダン・イスラエル国境へ向かう
アンマンからキングフセイン橋までのJETTバスは7:00発の一本しかありません。
そのため絶対に乗り遅れないように注意してください。
僕は6:30にアンマン市内の宿を出発しました。
タクシーは朝でも結構走っているので簡単に捕まえることができます。
宿の人によるとダウンタウンからJETTバスターミナルまでは2JDが相場だそうです。
タクシーの人は最初3JDと言ってきましたが、じゃあ他のタクシーを探すと言ったら2JDで乗ることができました。
JETTバスのオフィスの場所
ヨルダンでタクシーに乗車する際、「男性は助手席、女性は後部座席」が一般常識となっているので必ず守りましょう。
チケットを購入する
タクシーは10分後にJETTバスターミナルに到着。
中に入ると椅子に座った職員がいるので、そちらに行きます。
どこに行きたいか聞いてくるので、「キングフセイン橋」と答え、パスポートを渡します。
バス料金の10JD払ってチケットをゲットします。
バスに乗車する
バスはオフィスの前に2台停車していましたが、キングフセイン橋に行くのは小さい方でした。
大きい荷物を下のトランクに入れて乗車します。
乗客の数は少なく、みんな1人2席使える状態でした。
ヨルダン出国審査
ヨルダンのキングフセイン橋の国境に着いたら、以下の流れでヨルダンを出国します。
- x線で荷物検査
- 出国審査
キングフセイン橋の国境の場所
x線で荷物検査
アンマンを出発して1時間後に国境に到着しました。
まずは荷物検査です。
荷物全てをX線に通して検査します。
出国審査
荷物検査が終わった後は、建物を移動して出国審査を行います。
窓口にある出国カードを取って、必要事項を記入します。
記入した後は、右側にある「Passport Drop Off」に行き、出国カードとパスポートを提出します。
パスポートは一時預かりになります。
提出した後は、左端の「Customs」と書かれた窓口で出国税10JDを支払います。
支払ったらすぐに証明書を渡されるので、そのまま真ん中にあるPassport Pick upに行ってください。
順番に名前を呼ぶので、自分の名前を呼ばれたら、出国税を払った証明書を渡します。
Passport Pick upと書かれていますが、ここでパスポートは返却されません。
僕は最後の方に「Passport Drop Off」でパスポートを渡したのですが、ここで名前を呼ばれたのは最初の方だったので、順番は適当のようです。
全員終わるまで椅子に座って待ちます。
その建物の中に免税店もあるので、買い物したい人は利用してください。
全員終わったら案内されるので、外に出てバスに乗ります。
ヨルダン国境からイスラエル国境へ移動
係の人にバスに誘導されるので、大きい荷物を下のトランクに入れて乗車します。
乗り込むと、出国審査の時に預けたパスポートが名前を呼ばれて返却されます。
その後、乗務員によりバス料金の回収がされます。
最初に説明したように、アンマン市内からキングフセイン橋までのJETTバスのチケットを見せると、バス料金+荷物代を払うところが、全部無料になります。
国境についてちょうど1時間後に出発しました。
10分後にヨルダン国境とイスラエル国境の中間あたりに停車し、出国カードと出国税の証明書の半券が回収されます。
ヨルダンの国境を出発して25分後にイスラエル側の国境に到着しました。
イスラエル側の国境の場所
イスラエル入国審査
イスラエル側に着いた後にする入国審査は以下の流れで行われます。
- 大きい荷物を預ける
- パスポートコントロール
- セキュリティチェック
- 入国審査
- IDカードの確認
- 荷物を受け取る
大きい荷物を預ける
イスラエル側の国境に着いたらまず、大きい荷物を荷物検査のために預けます。
窓口はCHECK IN-1~CHECK IN-4までありましたが、行った時はCHECK IN-2とCHECK IN-3しか稼働していませんでした。
荷物を預けるために稼働している列に並びます。
並んでいると割り込みが頻発するのでガードしてください。
自分の番が来たら、窓口の人にパスポートを渡し、預ける荷物の個数を申告します。
大きいバッグだけでなく、サブバッグも預けても大丈夫です。
パスポートにシールが貼られて返されます。
同時に荷物用のタグが渡されるので、自分で預け荷物につけ、近くにあるベルトコンベアに置いて流します。
パスポートコントロール
次にPRESENT PASSPORTと書かれたところに並びます。
何も質問されずに、パスポートにピンク色のシールを貼られただけでした。
終わったら、すぐ横ににあるSECURITY CHECKと書かれた建物に入ります。
セキュリティチェック
手荷物検査です。
荷物を箱の中に入れ、エックス線で検査します。
この時パスポートは荷物の中に入れず、手元に持っておいてください。
荷物をエックス線の機械に流した後、人は隣にあるところで壁に書かれている絵と同じように両手を挙げてチェックされます。
そこにいる人にパスポートを見せて終わりです。
入国審査
いくつも並んでいるブースに行き、質問に答えます。
質問は「イスラエルのどこの街に行くか」「何日滞在するのか」「1人で旅行しているのか?」「エルサレムとテルアビブだけ行けるビザでもいい?」だけでした。
世界一厳しいと聞いていたので肩透かしを食らいましたが、僕より早く質問されてた人が僕よりだいぶ遅く終わっていたので、担当者によってかかる時間が全然違ってくると思われます。
無事終われば、顔写真入りのIDガードがもらえます。
以前は「ノースタンプ」と言わないとパスポートに直接入国スタンプが押されていましたが、現在スタンプ制度は廃止され、IDカードが発行されるようになっています。
よくある質問例と注意すること
入国審査で聞かれるよくある質問は以下の通りです。
- 「イスラエルのどこの街に行くか」
- 「何日滞在するのか」
- 「1人で旅行しているのか?」
- 「イスラエルへの渡航目的」
- 「どこの宿に宿泊するか」
- 「職業」
- 「パスポートのスタンプや渡航歴について」
特に難しい質問はありません。
不安な人は質問の答えを事前に考えていた方がいいでしょう。
ただし、この入国審査の質問を答える時に、パレスチナに行く予定があっても「パレスチナに行くようなこと」を感じさせないように注意してください。
イスラエルとパレスチナは「パレスチナ問題」があり、ずっと仲が悪いからです。
また「どこの宿に宿泊するか」を聞かれたときに、日本人に人気のある「イブラヒムじいさんの家(通称:イブじいの家)」と答えないようにしてください。
オーナーのイブラヒムじいさんがパレスチナ人だからです。
あと、僕が最後に聞かれた「エルサレムとテルアビブだけ行けるビザでもいい?」という質問はパレスチナに行くかどうかをひっかけるための質問だと思います。
「エルサレムとテルアビブだけ行けるビザ」という特定のビザなどは存在しないので「いいよ」と答えましょう。
とにかくどの質問が来ても、とにかく「パレスチナに行くようなこと」を絶対に言わないようにしてください。
IDカードの確認
入国審査が終わり、IDカードを受けっとった後にまたチェックポイントがあります。
ここであ質問などはなく、列に並び、自分の番が来たらIDカードを渡すだけです。
カードを機械でピッってされるだけで終了です。
荷物を受け取る
次はイスラエルの国境に到着して預けた荷物を受け取ります。
ここにもチェックがあり、係員にパスポートを渡し、パスポートに貼られているシールをスキャンされます。
荷物が受取所に到着していればそのまま通過できますが、到着していない場合はその場で待たなければいけません。
僕の荷物は到着していないと言われたので、待ちました。
この場所には電光掲示板があり、自分のパスポートに貼られている番号が表示されるまで待ちます。
この場所には無料のトイレもあります。
僕の荷物は30分待っても一向に来ないので、係員のとこに行きもう一度確認しにいきました。
すると頭をかしげながら、「荷物があるかもしれないけど、荷物が無かったら帰ってきて」と不思議な言われました。
荷物は普通に並べられており、また違う職員の人が来て、新しいタグをつけられました。
この荷物に関してはあまり起こらない出来事で、普通なら荷物をスムーズに受け取ることができると思います。
荷物を受け取った後は、出口に向かいます。
受け取りスペースを出る時には、荷物についているタグとパスポートに貼られているシールをスキャンされ、一致しているかをチェックされます。
そのチェックが終わると自動ゲートを通り、外に出ることができます。
その途中にランダムで選ばれた人は荷物をエックス線に通す荷物チェックを受けなくてはいけません。
イスラエル国境からエルサレムへ
建物の外に出ると、右手にバスチケット売り場、左手に乗り合いタクシーのチケット売り場があります。
エルサレムへ向かう人は乗り合いタクシーに乗るしかないようです。
乗り合いタクシーの料金はエルサレムまで10JDでした。
乗り合いタクシーはバンで、荷物を後ろに載せることができます。
乗客を10人乗せれるようになっており、満員になってから出発します。
イスラエル国境を出発して45分後、エルサレムのダマスカス門の近くにある最終目的地に到着します。
エルサレムのバス降り場の場所
乗り合いタクシーを降りた後は、エルサレムの旧市街にある「Hebron Youth Hostel」に向かいました。
エルサレムで宿泊したもう一つの宿「The Post Hostel」もここから歩いて行ける距離にあります。
まとめ
ヨルダンからイスラエルまでの出入国にかかった時間を時系列順にすると以下の通りになります。
6:30宿を出発
7:00アンマンを出発
8:00ヨルダン国境到着・ヨルダン出国審査
9:00ヨルダン国境からイスラエル国境へ移動
9:30イスラエル国境へ到着・イスラエル入国審査
10:45乗り合いタクシーに乗り込む
11:20乗り合いタクシー出発
12:05エルサレムに到着
アンマンのJETTバスのオフィスを出発してエルサレムのバスターミナルに到着するまで約5時間かかりました。
費用は全部で30JDでした。
世界一厳しいと言われているのでどんなものかと少し不安でしたが、チェックがたくさんあるだけでそれほど難しいものではありませんでした。
反対にイスラエルから出国する時はチェックが厳しかったです。