日本人の海外旅行者を狙った詐欺は毎年多くの被害者を出しています。
しかし、詐欺は強盗やスリと違って、騙されなければ被害にあうことはありません。
そこで重要なのが情報です。
情報を知っているのと知っていないのとでは大きな差があります。
今回は海外の詐欺師の特徴やどうすれば騙されないか簡単なポイントを説明します。
海外で詐欺にあわないためには情報を知っておこう
情報は武器です。
知っていれば防げることもたくさんあります。
逆に、事前に何も調べず、何の情報も持たずに海外を旅行するのは危険です。
強盗の場合は強盗犯にあった時点で何もすることはできませんが、詐欺の場合は詐欺師に会ったからといって、お金は100%取られることはありません。
そこで今回は、僕や詐欺師の被害にあった人、現地の人などの情報をもとにして、
- 詐欺師の特徴
- 詐欺師がしてくる質問とそれにどう答えたらいいか
- 騙されないための対策方法
を説明していきます。
この記事では、毎年多くの日本人が騙される詐欺である、東南アジア圏で多い「いかさま賭博詐欺」、インドで多い「旅行代理店詐欺」、トルコのイスタンブールで多い「ぼったくりバー詐欺」などの詐欺を想定しています。
海外の詐欺師を見破ろう「詐欺師の特徴」
完璧ではありませんが、詐欺師には特徴があり、ある程度見分けることができます。
「下の項目に当てはまる人=詐欺師」とは言い切れませんが、詐欺師である可能性が高いです。
詐欺師の特徴は以下の3つです。
- 友好的で人あたりがいい
- 日本語がうまい、日本とのつながりを強調してくる
- 自分から近づいてきて、ずっとついてくる
3つ全てに当てはまる人に対しては、警戒するようにしてください。
特徴1:友好的で人あたりがいい
詐欺師はとても人当たりがいいです。笑顔で接してきます。
時には、仲良さそうな男女2人組で近づいてくることもあります。
これは、一人で来る人よりも警戒心がなくなるためです。
特徴2:日本語がうまい、日本とのつながりを強調してくる
日本人を騙そうとしてくる人は、「日本語を話すのがうまい」人が多いです。
一般の人も「ありがとう」や「こんにちは」を言う人はいますが、それ以上日本語の言葉を知っていたり、会話をできる人は怪しいです。
また、こちらから聞いてもないのに
- 日本に行ったことがある
- 日本食レストランで働いていた
- 親族が日本で働いている
- 娘がもうすぐ日本の大学に行く
と話してきたり、日本で撮った写真や、日本人と一緒に撮った写真などを見せてきたりします。
このように脈略もなく、変に日本とのつながりをアピールしてくる人は要注意です。
日本人である以上、話しかけてきた人が日本語を話せたり、日本とのつながりを示してきたら日本人として嬉しいですよね。
でも、その心理を利用して、心の壁をなくそうとするのが狙いなので気をつけてください。
特徴3:自分から近づいてきて、ずっとついてくる
バングラデシュやインドは見ず知らずの一般の人も僕達に話しかけてくることがありますが、東南アジアの人は基本的に全く知らない他人に、自分から話しかけていく人は稀です。
そこの感覚は日本人と同じです。
宿やタクシー、レストランや旅行会社の人は客引きのため話しかけてくる人はいますが、一般の人がいきなり話しかけてくることはほぼありません。
東南アジアで急に話しかけてきたら、少し怪しいと思ってください。
お金を100%持っている人を狙うために、ATMや銀行の近くにいて、僕らがお金を下ろした後に近づいてくる場合も多いです。
さらに話しかけられた場所で話しかけるだけならまだしも、客引きでもないのに、こっちの歩くスピードに合わせて、一緒に歩いてくる人はかなり警戒してください。
決定的なのが、東南アジアでは「家に招待するよ」に、インドでは「一緒に旅行代理店に行こう」とあっちの家や店に誘われることです。
絶対に断ってください。
話しかけられた人の家に誘われた時点で詐欺の可能性がものすごく高いです。
海外の詐欺師がしてくる質問は意図を考えて答えよう
海外の詐欺師はターゲットを決めると、近づいてきてこちらのことについて質問攻めしてきます。
これは、単に興味で聞いているのではなく、詐欺のターゲットとしてふさわしいかどうかのため情報を集めているだけです。
こういう詐欺師の質問に正直に答える必要はありません。
こちら金銭状況や騙しやすいかを質問により、選別しているのです。
特に、上記に書いた詐欺師の特徴に当てはまる人が質問してきた場合は詐欺を疑ってください。
よく詐欺師が聞いてくる
- 学生ですか?
- いつ来たの?
- どれぐらいいるの?
- 家族は何してるの?
という質問の意図と答え方について紹介します。
質問の答えによっては、あなたを詐欺のターゲットになることもあります。
そうならないためにも、正直に答える必要はありません。
自分を守るための嘘をつきましょう。
学生かどうかを尋ねてくる質問
学生ですか?
学生でありません。
「学生ですか」という質問はあなたが「お金をどれぐらい持っているか」と「騙しやすいか」ということを探るための質問です。
日本人は若く見られがちです。
童顔な上に、体格も小さい人が多いためです。
そのため社会人であっても「学生ですか?」と聞かれることがよくあります。
しかし、そうやって「学生ですか?」と身分を聞かれた時には、仮に学生であっても「学生」だと答えてはいけません。
詐欺師の頭の中で以下のように変換されます。
- 学生で海外に来ている=働いてもないのにお金を持っている→金持ち
- 学生=経験が少ない→騙しやすい
学生であっても、ある程度のお金やクレジットカードを持っていることを知っています。
したがって、あなたが学生であっても、素直に「学生です」とは言わないようにしましょう。
ちなみに僕はいつも「学生?」と聞かれますが、「International Police(国際警察)」と言っています。
警察と言えば、だいたいすぐに去っていきます。
滞在期間を尋ねてくる質問
いつこの国(街)に来ましたか?
ここで働いています。
「いつ来たのか?」という質問には「こちらの滞在期間」を聞いていることになります。
それはつまり滞在期間を聞くことで「どのぐらいこの国(街)に慣れているか」を確認しています。
「今日」「昨日」「◯日前」というような短期間と答えた場合には、詐欺師のターゲットになる確率が上がります。
他の国や街に来て、まだあまり時間を過ごしていない人は、詐欺師からすれば騙しやすいからです。
街に慣れていない人は騙しやすい
滞在期間が長いほどその土地に対して「慣れ」ができます。
その「慣れ」がまだ出来てない人は騙されやすいです。
まず、金銭感覚が慣れていません。
アジア圏では、香港やシンガポールなど以外のほとんどの国では、日本より物価が安いです。
そのためポンと金額を出されても「こんなものか」と払ってしまうことがあります。
インドで旅行代理店に行き、何万円、何十万円も騙される人がいますが、高級ホテルや高級ツアーでない限り、インドでは一度に1万円以上使うことなんありません。
また土地勘がないうちは、街を歩くだけでも無意識に神経を使い疲れてしまっており、他のことに頭が働きにくく正常な判断がしにくくなっています。
慣れていない土地で、疲れているところに優しくされると安心してしまいがちです。
そういった状況から、実際に到着初日に騙される人が多いのが事実です。
長期滞在者はターゲットにされにくい
詐欺師からすれば、現地で働いている人や学校に通っているような長期間滞在者はターゲットとしてふさわしくありません。
仮にうまく騙したとしても、後で探し回されたり、警察が動く可能性があります。
逆に短期間滞在の人の場合だと帰国してしまうので後々捕まる可能性は低くなります。
そのような理由で詐欺師たちは長期滞在者を避ける傾向があります。
なので、これからの滞在期間を聞かれた場合は、新しく来た土地であっても「長期間滞在している」と答えて、街に慣れているということを示しましょう。
他にも、「留学している」、「働いている」と現地にいるようなことを匂わせる答えをしましょう。
日本人かどうかを尋ねてくる質問
コンニチハ!
日本人ですか?
日本人ではありません。
国籍を聞かれて「日本人」と答えないのが1番です。
日本人というだけで狙われます。
日本人はまだ世界中から「お金持ち」で「大人しい」と考えられているからです。
別に深くかかわらない人なら、国籍を変えたところで問題ありません。
連絡先や滞在先を尋ねてくる質問
あとで連絡したいから、連絡先(滞在先)教えてくれる?
・・・・・・(無視)。
その場を離れようとすると、「また都合のいい時に会いたいから連絡先教えてよ」や「どこに泊まってるの」と聞いてくることがあります。
連絡先を教えると、もちろん連絡が何度も来ます。
滞在先を教えると、偶然を装ったりして会ってくる可能性があります。
連絡先も滞在先も初めて会った人にすぐに教えるのは控えましょう。
それでも食い下がらないのなら、適当な連絡先を教えれば大丈夫です。
その他の海外で詐欺師に騙されないための対策
他に詐欺師に騙されないための対策として、以下のようなことも有効です。
- 一人で行動しない
- 詐欺師だと思ったらキレる
- 騒ぐ
一人で行動しない
複数人で行動した方が詐欺の被害にあう可能性は低くなります。
詐欺師も一人行動している人を狙いがちです。
なぜなら、自分一人だけの場合だと、すべて主観的な判断だけになって、自分が騙されていることに気づきにくいからです。
一人の判断だけでなく、複数人の判断があることで、会話や状況などを客観的に見ることができます。
話し合うことで、おかしいことに気づくかもしれません。
といっても、全員が騙される場合もありますし、賭博詐欺の場合だと、家に連れて行かれて、賭博が始まった後は、お金を下ろさせるときに人質として逆に不利に働くこともあります。
ですが、複数で行動することは、一人で行動する時よりも騙される可能性は低くなり、有利に働くことの方が多いです。
詐欺師だと思ったらキレる
日本人はおとなしいと思われています。
実際日本人はおとなしい人が多いです。
そのためずっと話しかけられても、ちゃんと聞いてしまう人が多いです。
だから、海外の詐欺師たちはどんどん話しかけてきます。
そして、どんどんペースを掴まされています。
「少しだけなら」という気持ちで、その人についていき、騙されることがあります。
あまりにしつこいなら、大声でキレましょう。
おとなしいと思っていた人がいきなりキレたら怖いように、海外の人はあまり「日本人がキレる」というイメージはありません。
キレることで、詐欺師たちをひるます可能性があります。
騒ぐ
また、騙されそうになったら、大げさに騒ぐのも一つの手です。
わざと大声を出したり、大きくリアクションをします。
すると、周りに人がいる場合、「なんだ、なんだ?」となり近づいてきます。
そして、周りの人が助けてくれることがあります。
基本的に詐欺師以外の一般市民は、僕らの味方と考えて大丈夫です。
詐欺師からしても、僕ら外国人よりも言葉の分かる自国民に目をつけられるのを嫌います。
思い切って騒ぐことで注意を引き、自分の勢力を増やしましょう。
僕がインドで出会った日本人の話では、インドでひつこく騙しにかけてきたので、大げさに騒いだところ、現地の人が詐欺師をボコボコにしたそうです。
海外で詐欺師に確実にだまされない方法
最後に海外で詐欺師に確実に騙されない2つの方法を紹介します。
- 詐欺師を無視する
- 知らない人についていかない
詐欺師を無視する
現地の人とのコミュニケーションは楽しいものです。
しかし、注意も必要です。
詐欺師というのは基本的にフレンドリーで話がうまいのでついつい聞いてしまいます。
しかし、少しでも怪しいと思ったら、無視するのが1番です。
知らない人についていかない
当たり前ですが、知り合ったばかりの人についていってはいけません。
ついていかない限り、騙されることはありません。
詐欺師たちは
- 賭博詐欺の場合は「家に
- インドでは「旅行代理店」
- トルコでは「バー」
に何かと理由をつけて連れて行こうとします。
その場で強く断って、絶対に行かないようにしましょう。
「断るのも失礼だし、少しだけなら」とついていってはいけません。
特に女性は、人から見えない場所に連れていかれた後、襲われる危険性もあります。
日本と同じように、会ったばかりの人の家や店には行かないようにしましょう。
まとめ:海外の詐欺師に騙されないように考えて行動しよう
海外で詐欺師に騙されるのは、事前に詐欺の情報やパターンを知っておけば防げる者です。
今回紹介した方法を使って、騙されずに旅を楽しんでください。
詐欺の被害を未然に防ぎ、旅を最高のものにしましょう。