海外では事件に巻き込まれる可能性は誰でもあります。
強盗などはどんなに気をつけていても被害にあう可能性は0にできませんが、手口を知っていることで未然に防げるもの存在します。
その1つが、東南アジアで日本人の被害が多い「トランプ詐欺(いかさま賭博詐欺)」です。
この記事では、「トランプ詐欺(いかさま賭博詐欺)」の
- 詐欺の手法
- 犯人の特徴
- 被害の防ぎ方
を紹介していきます。
僕自身3カ国で声をかけられるぐらい、かなり多い詐欺になります。
知っているのと知らないのとでは、全く違う状況になるので、東南アジアに行く際には目を通しておいてください。
東南アジアでの被害が多い「いかさま賭博詐欺(トランプ詐欺)」とは
外務省の「海外安全ホームページ」や、地球の歩き方などのガイドブックなどにも書かれていますが、「トランプ詐欺(いかさま賭博詐欺)」という詐欺事件に巻き込まれる人が毎年後を絶ちません。
被害額は数万円から、100万円や300万円など高額なものまであります。
この詐欺は、トランプを使って騙されることが多いことから、「トランプ詐欺」や「いかさま賭博詐欺」と呼ばれます。
「いかさま賭博詐欺」は特に東南アジアでの被害が多いです。
悲しいことに、日本人の被害が最も多く、毎年多くの人が騙されています。
データは古いですが、2002年に日本大使館に寄せられた「いかさま賭博」の被害件数はなんと94件。
また、カンボジアの首都プノンペンだけの被害者数でも、以下のようになっています。
- 2011年に16件
- 2012年に16件
- 2013年に7件
- 20014年は18件
これらの被害者数はあくまで日本大使館に連絡した人の数。
実際はもっといるのは間違いありません。
トランプ詐欺の手法
イカサマ賭博の手口について、外務省の「海外安全ホームページ」のタイの項目より抜粋したものを掲載します。
タイで最近見られた具体的な手口としては、まず犯行グループが市内の観光地やデパートで、単独や少数の旅行者を物色して、勧誘役が片言の日本語や英語で「妹が近いうちに日本へ行くので日本のことを教えて欲しい」、「そのかわいい帽子はどこで買ったの?」などと親しげに接触してきます。
その後自宅(犯行グループのアジト)へ招待すると言って、タクシーなどで郊外へ移動します。自宅に連れ込まれた旅行者は、食事をご馳走され、楽しく歓談します。
うち解けてくると、ブラックジャックなどの賭博に誘われ、最初は掛金も犯行グループから提供されますが、そのうちに、ブルネイや香港、シンガポールなどの富豪と称する人物が現れ、掛金が高騰していきます。途中から掛金は旅行者自身が用意しなければならないなどと言われ、クレジットカードのキャッシングや貴金属店でのゴールドの購入を強制され、被害額が数百万円に達することもあります。途中で、どうも雰囲気がおかしいので、ゲームをやめようとしたら監禁され、銃で脅されたり、女性の場合は身体を触られたりし、掛金の調達を迫られるケースもあります。
いかさま賭博詐欺の一般的な流れをまとめると、以下のようになります。
- フレンドリーな犯人が単独(少数)旅行者に声をかけてくる
- 理由をつけて家に誘ってくる
- 家に行ってブラックジャックなどのトランプゲームをする(勝つコツを教えてくれる)
- 「第三者のお金持ちが来るから協力してお金を取ろう」と持ち掛けてくる
- 最初は連勝するが、掛け金が上がっていき、最後に負けて大損する
- 現金はその場で取られ、残りのお金はキャッシングやクレジットカードを使って換金目的で購入させられる
簡単に説明すると、理由をつけて家に誘われ、トランプを使ってゲームをして大負けすることになり、お金を取られるという詐欺です。
知っていれば防げる詐欺ですが、毎年多くの人が被害にあっています。
また、いかさま賭博詐欺は、お金を騙し取られた被害者であっても「違法賭博」を行ったとして、逆に罪に問われる可能性があります。
日本人はトランプ詐欺(いかさま賭博詐欺)のターゲット
日本人は世界的にもお金を持っていると思われているので、この賭博のターゲットになりやすいです。
さらに
- 「No」と強く言えない
- 人を疑わずにすぐに信じる
ような日本人が多いというのも大きな理由。
また異国で一人という孤独な時に、フッと日本に興味のある人が優しく声をかけてきたら、つい心を許してしまうという心理もこの詐欺にひっかりやすくなっている要因です。
寂しさを感じてなくても、現地の人と仲良くなるというキラキラとして思い出を求めてついていく人もいます。
実際、僕もタイとラオス、カンボジアで知らない人に同じように家に誘われたことがあります。
タイとカンボジアではおばさん一人に、ラオスでは男女二人組家に誘われました。
2組とも家に誘ってきた理由は
でした。
この「娘(息子)が日本に留学するから」という理由は、家に誘い込む理由としてよく使われています。
人によりますが、東南アジアの人は、日本人と同じように、会ってすぐに家に誘う人はほとんどいません。
会ってすぐに家に誘われたら、イカサマ詐欺の可能性が高いので注意してください。
トランプ詐欺(いかさま賭博詐欺)の対策法は「何があっても家に行ってはいかない」
騙そうとする方は、とてもフレンドリーに接してきて、いかにも「いい人」そうに見えます。
- 日本の話をもっと聞きたい
- 留学する娘と一緒にご飯を食べてくれないか
といろいろな理由をつけて、家に誘ってきますが、どんなに優しそうな人に誘われても、家についていってはいけません。
人を疑ってかかるのは、嫌な気もしますが、それで騙されてお金を取らるのは避けなくてはいけません。
外で話すだけならいいですが(ただ、話し好きな人かもしれません)、家に誘われても絶対についていかないようにしましょう。
基本的に1人で行動している人が狙われることが多いですが、2人以上の複数人で行動している時も声をかけてくる場合もあります。
そのような時でも、ついていくことは危ないです。
ナイフや拳銃で脅し、1人を人質にとって、1人にお金を引き出させるような暴力的なことも起こるからです。
このいかさま賭博詐欺の騙す側の特徴ととして以下のようなものがあります。
- 見た目が優しそうで、フレンドリー
- 日本に興味があることをアピールしてくる(やたら日本語を使ってくる)
- 話を聞きたがり、家に誘ってくる
- 写真を撮られるのを避ける(顔写真を撮られると捕まる可能性が高くなるので)
これらの特徴に当てはまる人に家に誘われた場合は、断りましょう。
詐欺の対策方法を別の記事で詳しく書いています。
トランプ詐欺(いかさま賭博詐欺)の情報を頭に入れて東南アジアを楽しもう
旅で会った人の中にも、このいかさま賭博の手口にひっかかり、お金を取られ、辛い思いをした人に会いました。
会った人は、お金が盗られるだけでなく、人を信用できなくなったと言っていました。
このいかさま賭博は、情報を知って、注意していれば未然に防げることができます。
犯人の家にさえ行かなければいいのです。
騙そうとする人はどこにでもいます。
騙される可能性は誰にでもあります。
ずっと緊張する必要はありませんが、知らない人に親しげに声をかけられ、家に誘われても絶対にいかないようにしましょう。
自分のためにも、他の旅行者のためにもだまされないように旅を楽しんでください。