海外で事件に巻き込まれる可能性は誰でもあります。
強盗などの予期せぬ事件もありますが、個人が意識することで未然に防げる事件もあります。
その一つとして、アジア圏で特に多い「いかさま賭博」が挙げられます。
いかさま賭博とは
外務省の「海外安全ホームページ」や地球の歩き方などのガイドブックなどにも書かれていますが、「イカサマ賭博」という詐欺事件に巻き込まれる人が毎年後を絶ちません。
被害額は数万円から、100万円や300万円など高額なものまであります。
イカサマ賭博の手口について、外務省の「海外安全ホームページ」のタイの項目より抜粋したものを掲載します。
タイで最近見られた具体的な手口としては、まず犯行グループが市内の観光地やデパートで、単独や少数の旅行者を物色して、勧誘役が片言の日本語や英語で「妹が近いうちに日本へ行くので日本のことを教えて欲しい」、「そのかわいい帽子はどこで買ったの?」などと親しげに接触してきます。
その後自宅(犯行グループのアジト)へ招待すると言って、タクシーなどで郊外へ移動します。自宅に連れ込まれた旅行者は、食事をご馳走され、楽しく歓談します。
うち解けてくると、ブラックジャックなどの賭博に誘われ、最初は掛金も犯行グループから提供されますが、そのうちに、ブルネイや香港、シンガポールなどの富豪と称する人物が現れ、掛金が高騰していきます。途中から掛金は旅行者自身が用意しなければならないなどと言われ、クレジットカードのキャッシングや貴金属店でのゴールドの購入を強制され、被害額が数百万円に達することもあります。途中で、どうも雰囲気がおかしいので、ゲームをやめようとしたら監禁され、銃で脅されたり、女性の場合は身体を触られたりし、掛金の調達を迫られるケースもあります。
簡単に手口をまとめると、
まず、フレンドリーな犯人が単独(少数)旅行者に声をかけてくる
→理由をつけて家に誘ってくる
→家に行ってブラックジャックなどのトランプゲームをする(勝つコツを教えてくれる)
→「第三者のお金持ちが来るから協力してお金を取ろう」と持ち掛けてくる
→最初は連勝するが、掛け金が上がっていき、最後に負けて大損する
→現金はその場で取られ、残りのお金はキャッシングやクレジットカードを使って換金目的で購入させられる
というような流れが一般的です。
東南アジアでの被害が多いです。
日本人はイカサマ賭博のターゲット
日本人は世界的にもお金を持っていると思われているので、この賭博の標的になりやすいです。
さらに「No」と強く言えない人や、人を疑わずにすぐに信じる日本人が多いので、その国民性も狙われる理由の一つです。
また異国で一人という孤独な時に、フッと日本に興味のある人が優しく声をかけてきたら、つい心を許してしまうという心理もこの詐欺にひっかりやすくなっている要因です。
寂しさを感じてなくても、現地の人と仲良くなるというキラキラとして思い出を求めてついていく人もいます。
実際、僕もタイとラオスで知らない人に同じように家に誘われたことがあります。
タイではおばさん一人に、ラオスでは男女二人組に家に誘われました。
二組とも理由は「娘が日本に留学するから、日本のことを知りたい」でした。
人によりますが、アジアの人は、日本人と同じように、会ってすぐに家に誘う人はほとんどいません。
家に誘われたら、イカサマ詐欺の可能性が高いです。
何があっても家に行ってはいけない
騙そうとする方は、とてもフレンドリーに接してきて、いかにも「いい人」そうに見えます。
「日本の話をもっと聞きたい」「留学する娘と一緒にご飯を食べてくれないか」といろいろな理由をつけて、家に誘ってきますが、どんなに優しそうな人に誘われても、家についていってはいけません。
人を疑ってかかるのは、嫌な気もしますが、それで騙されてお金を取らるのは避けなくてはいけません。
外で話すだけならいいですが(ただ、話し好きな人かもしれません)、家に誘われても絶対についていってはいけません。
また、こちらが2人などの複数人だからといって、ついていくことは危ないです。
ナイフや拳銃で脅し、1人を人質にとって、1人にお金を引き出させるような暴力的なことも起こるからです。
この手口を使う人の共通点として
- 見た目が優しそうで、フレンドリー
- 日本に興味があることをアピールしてくる(やたら日本語を使ってくる)
- 話を聞きたがり、家に誘ってくる
- 写真を撮られるのを避ける(顔写真を撮られると捕まる可能性が高くなるので)
対策方法を別の記事で詳しく書いています。
最後に
旅で会った人の中にも、このいかさま賭博の手口にひっかかり、お金を取られ、辛い思いをした人に会いました。
会った人は、お金が盗られるだけでなく、人を信用できなくなったと言っていました。
このいかさま賭博は、注意すれば未然に防げることです。
犯人の家にさえ行かなければいいのです。
「騙そうとする人はどこにでもいます。
騙される可能性は誰にでもあります。」
自分のためにも、他の旅行者のためにもだまされないように旅を楽しんでください。