EU圏内では一定額以上の買い物をした場合、所定の手続きをすることで「VAT」と呼ばれる税金の一部が返ってきます。
僕自身はスペインとポルトガルで買い物をして、リスボン空港にてVATの還付手続きをしました。
実際に還付手続きをした経験を踏まえて、EU圏内のVATの制度の詳細と、どのような手続きをしていくのかを解説していきます。
外国人旅行客であれば誰でも利用できる制度なので、EU圏である程度の買い物をするは人必見の内容です。
EU圏のVAT還付制度の仕組みについて
EU圏内で買い物をすると自動的に「VAT」という税金が課税されます。
VATとは「Value Added Tax」の頭文字をとったもので、要するに「付加価値税」ということです。
このVATは本来EU圏内に住んでいる人向けのものです。
そのため、EU圏内に住んでいない外国人旅行者である日本人は還付(払い戻し)手続きをすることで、支払ったVATの一部が返ってきます。
この制度をうまく利用することで、モノによっては日本で購入するよりも安く手に入ることもあります。
VAT制度を利用するために必要なのは、2つの手続きだけです。
- Tax-Freeの店で買い物をし、VAT制度の申請用紙をもらい、必要事項を記入
- EU圏を出国時に空港でVATの手続きをする
VAT返還手続きと聞くと、なんだか難しそうに思われますが、やることは単純で簡単なので心配はいりません。
お金もかからないので、やれば得するのは間違いありません。
EU圏のVATの還付制度は自分で手続きする必要がある
とてもお得なVATの還付制度ですが、注意したいのがこの手続きは完全に自己申告制ということです。
つまり、自分で買い物の時と、出国時に自分からVATの手続きをしないと、VATが返ってくることはないということです。
実際に、VATの制度自体を知らずに帰国する人もたくさんいると思います。
外国人旅行者である人の特権です。
この記事を読んだ人で、VATの制度の対象となっている人は忘れずに活用して、得しましょう。
EU圏のVAT制度を利用できる条件
空路出国の場合のみに適用される
VAT制度はEU圏を空路出国の場合のみに適用されるので、陸路で出国する人はVAT制度を使うことができません。
空路出国の人は、EU最終出国地の空港で手続きをします。
つまり、商品を購入した後に、陸路でEU各地を旅行することもでき、EUを離れる時にだけEU圏内のどこかの国から空路で出国すればいいということです。
商品を購入して90日以内にEU圏外に出国しなけらばいけません。
商品が未開封、未使用であること
VATの還付手続きの対象である商品を出国時の手続きが終わるまで使用してはいけません。
このVATの払い戻しは宿泊費などのサービスに対してはなく、あくまでモノに対しての制度です。
また、モノでもAmazonなどのネットを通して購入したものは制度の対象外です。
僕自身がVATの還付手続きをした時は、VATの対象商品をすでに使用していましたが、特にチェックされることはありませんでした。
チェックされる可能性は0ではないので、一応購入した時の箱などに入れておきましょう。
EU圏内で買い物するときのVATの還付手続き
まず、VATの買い物をするときの手続きを解説していききます。
買い物の時にする手続きは、「VATの申請書」をもらい、必要事項を記入する」というものです。
パスポートが必要なので、忘れずに持っていきましょう。
タックスファンドに対応している店は、「ブローバルブルー」や「プレミアムタックス 」などの「Tax-Free Shopping」を表すマークがどこかにあります。
大きな店ではタックスリファンドに対応していますが、個人商店など小さな店だと対応していないこともあります。
買い物をして、会計時に「タックスリファンドしたい」ことを伝えましょう。
そして、パスポートを渡し申請書類を作成してもらいます。
この時に、記入ミスがないように確認しておきましょう。
スペインのアップルストアでiPhoneを買ったとき(グローバルブルー)
スペインのマドリードにあるアップルストアでiPhoneを購入しました。
会計時に店員の人にタックスリファンドについて尋ねると、パスポートの提示を求められ、その場で名前などの必要事項を用紙に情報を記入しました。
本来はカード式らしいのですが、その時は機械が壊れていたので紙でした。
ポルトガルのリーバイスでジーンズを購入した時
ポルトガルのリスボンでリーバイスのジーパンを購入しました。
会計時にタックスリファンドのことを尋ねると、「ちょっと待ってください」と言われ、5分後ぐらいに申請書をレシートと一緒にもらいました。
アップルストアでもらったものとは全く違い、レシートのようなものでした。
また、アップルストアでは自分で書類に必要事項を記入したのに対し、その時は僕自身は全く何もせずに、ただ待っているだけでした。
EU圏の空港でのVAT還付手続きについて
空港でのVAT手続きの場所は、VAT対象商品が手荷物なのか、預け荷物かによって変わってきます。
リスボンの空港だと、VAT制度の対象商品が手荷物なら出国審査後、対象商品が預け荷物なら出国審査前に手続きをする場所がありました。
僕が実際にVAT返還手続きをしたリスボン空港の例を書いていきます。
手続きに必要なものは以下の通りです。
預け荷物に入れないように気をつけてください。
- 未使用の商品(使用しててもチェックされる可能性は低い)
- 商品のレシート(コピーやクレジットカードの明細ではダメ)
- VAT還付手続きの書類(買い物をした時にもらったもの)
- 搭乗券
- パスポート
普段通りにチェックインする
VAT商品が手荷物に含まれている人は、まず普段通りにチェックインします。
当たり前ですが、VAT対象商品は預け荷物に入れないようにしましょう。
チェックインが終わった後は、セキュリティゲートを通り、手荷物検査をします。
VAT対象商品が預け荷物の場合の手続き
VAT対象商品が預け荷物の場合は、出国審査前に手続きをする必要があります。
「VATの手続きはこちら」と案内板が出ていました。
税関でスタンプをもらう
VAT還付手続きの窓口に行く前に、税関に行ってスタンプを押してもらう必要があります。
リスボンの空港では、窓口の真正面にある税関がありました。
税関のところに行き、パスポートと購入した商品、VAT対象商品を購入した時にもらった申請書を見せて、スタンプを押してもらいます。
「1つの対象につき1つのスタンプ」なので、返還手続きをする数だけスタンプをもらいましょう。
窓口でのVAT還付手続き
VATの還付を行なっている3つの会社のオフィスは並んでありました。
会社によって、お金の還付方法が違ってきます。
僕が利用したのは3つのうち「グローバルブルー」と「プレミアムタックス」という2つの会社です。
それぞれについて解説します。
グローバルブルー
窓口に行った後は、VAT対象商品のレシートと申請書を渡します。
スペインのアップルストアの買い物に対してはクレジットカードを通じての返金しかできないと言われました。
3週間以降に振り込まれるということでした。
プレミアムタックス
こちらの窓口も申請書やパスポートをまず窓口の人に渡します。
「クレジットカード」での返金という選択肢がなく、現金での払い戻しでした。
EUのVAT還付でいくら返金されたのか
EU圏内でのVAT還付手続きをして結局いくら返金されたかを紹介します。
グローバルブルーでの返金額
僕が空港で手続きをしたのが8月4日だったのですが、グローバルブルーのVATの還付は、ちょうど1ヶ月後の9月4日に指定していた銀行口座に日本円で入金されていました。
返金額は10,022円でした。
プレミアムタックスでの返金額
手数料として3ユーロが引かれ、現金で6ユーロが払い戻されました。
いくら返ってくるかは、タックスブルーの公式ホームページで調べることができます。
リンク 公式ホームページの計算機
空港によっては、VATの手続きで混雑していて、時間がかかる場合があります。
VATの手続きをしようと思っている人は、通常よりも早めに空港に行くようにしましょう。
まとめ:EU圏内で高い買い物をした人はVAT還付制度を利用しよう
今回はEU圏のVATの還付制度について解説しました。
読んでもらったように、たった2回の簡単な手続きをするだけです。
返金額も大きいので、EU圏内で高い買い物をした人は忘れずに手続きをしましょう。
タイでのVAT制度についても別の記事で紹介しています。