長期的に旅に出る予定の人や、よく海外に行く人向けに、査証欄がいっぱいになった(なりそうな)場合に備えて、パスポート1冊につき1度だけ、査証(ビザ)欄のページを増やす「増補」ができました。
ですが、パスポート更新のオンライン申請が開始された2023年3月27日以降はパスポートの増補はできなくなりました。
そこで、記事内では、
- なぜパスポートの増補が廃止されたのか
- パスポートの査証欄がいっぱいになった場合はどうすればいいのか
ということについて解説していきます。
記事の後半では、以前までできていた「増補」の方法を、実際の経験にもとずいて説明しています。
パスポートの増補は2023年3月に廃止
パスポートの増補は、2023年3月27日をもって廃止されました。
廃止された理由は
- 偽造の防止
- 正式に増補されたパスポートの偽造が疑われることがある
- 増補ページを作るコストの削減
などがあります。
パスポートの査証欄がいっぱいになったらどうする?
たくさんの国に行く人はパスポートの査証欄がいっぱいになることもあるでしょう。
パスポートの増補が廃止された現在はどうすればいいのでしょうか。
その場合は以下の2つの選択肢があります。
- 「残存有効期間同一旅券(6,000円)」に切り替える
- パスポートの更新をして新しくパスポートを切り替える(オンライン申請可)
残存有効期間同一旅券に切り替える
1つ目の選択肢が「残存有効期間同一旅券に切り替える」です。
残存有効期間同一旅券とは、文字の通り残存有効期限が元のパスポートと同じ旅券です。
6,000円を払うことで、残存有効期間同一旅券に切り替えることができ、元のパスポートの残存有効期限まで使い続けることができます。
パスポートの更新をして新しくパスポートを切り替える
残存有効期間同一旅券に切り替える場合以外は、普通のパスポートの更新をして、新しいパスポートに切り替えるしかありません。
元のパスポートの残存有効期限は関係なく、パスポートを更新した時点から5年間あるいは10年間の残存有効期限があります。
手続きはパスポートセンター窓口でできるほか、2023年3月27日以降は国内でも海外でもパスポート更新のオンライン申請をすることができます。
手続き方法について以下の記事にまとめているので、参考にしてください。
「残存有効期間同一旅券」の発行の方が安いので、残存有効期間がまだたくさん残っている人はパスポートを切り替えるよりもお得です。
パスポートの増補申請とは
パスポートの増補申請とは、パスポートの査証欄を増やす手続きのことです。
長期的に海外に滞在する予定の人や、海外に頻繁に行き、査証欄がいっぱいになった人の為にある制度です。
このパスポートの増補申請を行うことによって、査証欄は40ページ追加されます。
ただし、この増補申請はパスポート1冊につき1度だけしかすることはできません。
パスポートの増補申請は日本国内であれば、各都道府県のパスポートセンターで行うことができます。
手数料
パスポートの増補にかかる手数料は2,500円です。
海外でも日本大使館や日本領事館でパスポートの増補の手続きをすることができます。
手数料はその国によって違います。
パスポートの増補のタイミングは?いつできる?
パスポートの増補ですが、「パスポートの査証欄がいっぱいになった時にできる」とされていますが、基本的にはいつでもすることができます。
査証欄のページが「○○枚以下になった時」などの規定は全くありません。
新しくパスポートを発行する時に同時にパスポートの増補もすることができます。
パスポートの増補申請に必要な書類
パスポートの増補申請に必要なものは以下の4つです。
- パスポート
- 現住所が確認できるもの(運転免許証など)
- 一般旅券査証欄増補申請書
- パスポート増補の手数料2,500円
一般旅券査証欄増補申請書は、各都道府県のパスポートセンターの窓口で入手することができます。
パスポートの増補申請の流れ
それでは、実際にパスポートの増補申請をどのような流れで行うのかを写真付きで説明していきます。
この記事では香川県でパスポートの増補をした時の流れを説明していますが、他の都道府県でも基本的に同じ流れになります。
パスポートを増補する予定の人は参考にしてください。
一般旅券査証欄増補申請書を提出する
まず、自分が住んでいる場所の近くのパスポートセンターに行きましょう。
僕は香川県に住んでいるので、香川県のパスポートセンター(JR高松駅の横の高松シンボルタワー2階)に行きました。
まず各都道府県のパスポートセンターに着いたら、窓口に行き、パスポートの増補の申請をしたいと伝えます。
すると、窓口の人から増補用の申請書「一般旅券査証欄増補申請書」をもらえます。
一般旅券査証欄増補申請書に必要事項を記入して、窓口に提出します。
記入事項のチェックが終わると、「増補申請受理票」という紙をもらいます。
増補されたパスポートを受け取る
増補を申請した場合、4時間後以降に受け取りができます。
ただし、14時以降の場合は翌日の9時以降になります。
再び窓口に行き、受領書を提出しましょう。
収入印紙を購入してくださいと言われるので、窓口の横にある機械に2,500円を入れ、「増補」のボタンを押し、収入印紙を購入します。
窓口の人に呼ばれたら、収入印紙を渡します。
本人確認のための質問に答え、パスポートを受け取ります。
増補されると、元々あった最終ページのあとに40ページ追加されています。
パスポートの増補申請をしてたくさんの国を旅行しよう
パスポートの増補申請が廃止された理由や、査証欄がいっぱいになった場合の対処法について紹介しました。
査証欄がなくなった人やなくなりそうな人は「残存有効期間同一旅券」または「新しいパスポート」に切り替えるようにしてください。
パスポートは紙でできているので、なんらかのカバーに入れて持ち運ぶようにしましょう。
スキミング防止機能が付いていれば、なお安心ですね。